ハンコン改造 番外編 T500RS ペダル部のセンサー交換

どうも、け~えすです。

今回は知り合いからお願いされた、Thrustmaster T500RS用ペダルの修理を行いました。
色々と事前に調べてはいたのですが、ちょっと問題になりそうな所もあって結構面倒な修理でしたw

修理の一部始終を書いていきます。

お約束ですが、自分が行った修理方法を公開しております。
やり方などが間違っている可能性もございます。
修理などは自己責任で行ってください。
「このBlogを読んだけど失敗した」とか言われても困りますのでw


故障の内容、及び修理方針

ロジクールのG27でもお馴染みの、ペダルの抵抗値が暴れる症状が発生していました。
G27と同じタイプの接触式ポテンショメータを使っているので、経年劣化でこの症状が出るのはしょうがないです。

で、代わりとなるポテンショメータなんですが、G27同様純正品の入手が非常に難しいです。
G27の場合ですと、3Drapで修理用のポテンショ+ギアのセットが24.5ユーロで売ってますね。 販売ページ(リンク)
でもT500系のは売ってませんでした。

G27だと代用品としてセンサテックのポテンショメータ(リンク)を加工してつけられている人が多いんですが、T500でも同じことをされている人がいたので試そうと思いました。
型番は「ELV-1605HI」をチョイス。 開度15度もあれば十分全開まで持っていけます。
これでよかったと思ったんですが、後から大問題が勃発。
パーツ到着後に加工し始めたんですが、ちょっと気になってペダルからの出力電圧を確認したら7V出てました。 1605HIは最大入力5Vですorz
12V対応の1612HIは受注生産と書かれてます・・・ オワタ。

在庫状況以外にも聞きたかった事もあったのでセンサテックさんに直接問合せした所、話の中で「3個なら1612HIの在庫を用意できますよ」って言われたので即座に確保w
(大丈夫だとは思うけど、やっぱ過電圧は怖いっす。 12Vでも値段一緒だしねw)

これで使うポテンショは確定。 あっ、1605でも1612でも、買うときはオプションのハーネスも一緒に買っておきましょう。 コネクタとか用意するのマジで面倒っすw
 
今度は取り付け方法を書いていきます。

T500ペダルの分解、そして加工

説明に入る前に、作業に使用したパーツと工具類を書いていきます。

パーツ
・センサテック ELV-1612HI 3個(オプションのハーネスも同数買いました)
・UNC 3/8ナット&ワッシャ、またはM10ワッシャ (ポテンショのかさ上げ用)

工具
・プラスドライバ(鉄板などの取り外し用 小さめの方が楽)
・ラジオペンチ(ポテンショについているギアを外すため)
・はんだごて
・ドリルなど(ポテンショの取り付け穴を7mmから10mmに拡大が必須のため)
・やすり、または小型リューター(穴拡張後のバリ取り用)
・伸縮チューブ(配線の保護)
・ホットボンド(配線の固定)
・瞬間接着剤(ポテンショとギアの固定)
・10mmと12mmのスパナ(新旧ポテンショの取り外し)
・六角レンチ(ペダルを外すのとサイドバーを外すのに2種類必要)


作業風景を写真に撮ったのですが、微妙にピントが合っていない物が多いことに後から気づきました。
まだ見れる物だけを載せますが、予定より写真が少ないです。 文章での説明だと分かりにくい部分も多いかと思いますがご了承ください。



まずはペダル(の踏む部分)を外します。 小さい六角レンチで外れます。

その後サイドバーをこれも六角レンチ(大き目)で外しておきます。
サイドバーを外すと、奥側のバーがフリーになって倒れます。 ご注意ください。
次にペダルの天板を外します。 これでペダルのギア部分が見えてくると思います。


今回取り外すのは青色の部分になります。
黒い物体はギアになってまして、金属軸に接着剤で止めてます。
ギアを取り外さないとポテンショメーターが外せませんので、マイナスドライバーやラジオペンチなどで慎重に外してください。
このギアはプラスチックなので、力を掛け過ぎると割れると思います。
ギアは再利用するのでなくさないようにしてください。

次に赤色のねじを2か所外します。 この裏側に黒いカバーがありまして、それを止めているねじです。
画面左側の側面に穴が開いています。 同じ位置なので左側からまっすぐドライバーを入れる事が出来ます。

ポテンショの裏側が見えました。 ポテンショから出ている配線をすべて切り、逆側のナットを外してポテンショを取り外してください。

このポテンショの内径は7mmなので、ELV-1612はこのままでは入りません。
内径をドリルやリーマー等で10mmまで拡大してください。 拡大後は周囲のバリなどをやすりやリューターで取り除いてください。

自分はステップドリル(通称たけのこ)でやったんですが、結構バリが出ました。
このままではナットを止める際にしっかりと固定が出来なくなるのでバリ取りをしっかりとしておきましょう。

また、拡大の時には中心からずれないように注意してください。 0.5mmでもズレると、ペダルとポテンショのギアの噛み合いでガタつきが発生します。
ELV-1612事態が結構過敏に反応するので、ちょっとしたガタつきでもペダル開度で20%ぐらい上下します。 自分は最大50%のずれが出て崩れ落ちました。
後から穴をペダル側に少し拡大して調整しましたが、

穴の拡大が終われば、ポテンショを仮合わせしてみましょう。
自分の最初の時はこんな感じでした。

写真がちょっと斜めなので分かりにくいですが、ポテンショのギアとペダルのギアが半分ぐらいしか噛み合ってません。
ELV-1612自体がほぼ抵抗のない軽い軸なのでこれでも問題はなさそうなんですが、やっぱり怖いのでこの裏側になにかカマせます。

本当はナット両側から挟むのが一番いいんですが、このナットがJIS規格のナットじゃなかったんです。
アメリカのUNC 3/8ってサイズでして、普通のホームセンターでは取り寄せになるかと思います。

内径自体は10mmなので、ELV-1612の対角線のサイズとほぼ同サイズのワッシャを10枚ほど買ってきました。
 こいつを2枚ほど入れてから取り付けたところ、こんな感じになりました。

 ほぼギア同士が噛み合うようになりました。 これ以上ワッシャを入れてしまうと、ナットのねじの掛かりが浅すぎて壊れそうです。 この程度が限界かと。

軽く手締めでナットを止めて、同時購入していたハーネスを取り付けます。
ハーネスが地面側に来るぐらいで止めるとちょうどいい感じです。

その際、ELV-1615の軸の半円側が手前に来る感じにしておいてください。

配線ですが、赤と黒は3ペダルとも共通なので、ハーネスの赤と黒の同色同士で接続します。
残りの1本とハーネスの白に接続すればOKです。

配線自体ははんだ付けして固定するのですが、はんだの前に動作チェックだけしておきます。
ペダルをハンドル側に接続し、PCに繋げてからコントローラー設定を出します。
接続中は配線のショートに注意してください。 絶縁テープで軽く巻いておくとショート防止になります。ショートすると最悪ポテンショor本体が破損します。

コントローラー設定が出たら、ELV-1615の軸をゆっくりと廻してください。
15度でMAXになるので、ちょっと動かすだけで100%になるかと思います。

ELV-1612ですが、無接触ポテンショメーターなので360度以上回転します。 というかどれだけ回しても止まりません。
また、180度毎に極性が逆転します。 取り付け位置によっては、ペダルを踏むとアクセルなどが閉じるといった現象が発生します。
上記に書いた「ハーネス取り付けを床側にして、半円型の軸の直線側を手前にする」と、ギアをその状態で取り付けると大体あっているはずです。 ギアの位置を1歯ずつずらし、反応が出たらポテンショ本体を小さく動かして調整するとよいでしょう。

ポテンショの正常動作、及び大体のギアの位置が出たらUSBと取り外します。

配線をはんだ付けし、絶縁チューブなどで絶縁処理してください。
配線の絶縁処理が終われば、最終調整に入ります。

ここでポテンショ側のギアとペダル側のギアのがたつきを見ます。
がたつきがひどい場合、ペダル開度に大幅なずれが生じてしまうため、このままつけても正常な動きは期待できません。
リューターなどで少しずつ穴を拡大し、ポテンショの固定位置を微調整してください。

ギアのがたつきが止まったら少しきつめにナットを止めて、今度は角度調整に入ります。
ペダルを踏んだら反応し、戻せは0になる位置をじっくりと探してください。
ポテンショ本体を1mmずらすだけで開度が結構変わるので、慎重に細かく調整しないと面倒です。

またペダルの開け方も、色々と試してみてくださいね。
ゆっくりとアクセルを開けて、ゆっくりと戻したら開度が数%付いたままって事もよくあります。
この辺は時間を掛けてじっくりと取り組まないと、使った際のペダルの動きがめちゃくちゃになりやすいです。

調整が済んだらナットの本締めを行います。
本締め後は、ポテンショの軸先の部分に瞬間接着剤を付けて、軸とギアを固定します。

ホットボンドをお持ちでしたら、配線をホットボンドで止めましょう。


あとは天板やペダルを戻せば完了です。
お疲れさまでした。

注意点

ポテンショの選択なんですが、T500RSのポテンショには最大7V掛かるみたいです。(自分の実測値では最大7Vでした)
センサテックさんのポテンショは最大電圧5V(ELV-1605)と 12V(ELV-1612)の2種類があるので間違えないようにしましょう。

また、1612HIとHDの違いですが、有効角度の違いです。
元々ついていたポテンショにはプリントで「B25K60°」と書いてあります。 多分最大開度60度なんだと思います。
購入後に気付いたので焦ったのですが、1612HI(最大有効開度15度)でも問題なく動きました。
ペダルを解像度の高い別売りコントローラーなどに繋げているのであればHD(最大有効開度60度)の方が多分いいと思います。

センサテックさんでネット通販をしているので、これらのポテンショはそちらで買うのが一番早くて安いかと思います。 秋月とか共立だと取り扱いが無いんですよね・・・


後はポテンショについているギアの取り外しが結構面倒です。 簡単にするっと外れるものもあったら、マイナスドライバーやラジオペンチでも全然外れず、最後にはポテンショの軸ごと動いた物もありました。
接着剤は軸の外側についてますので、カッターとかで少しずつ切れ込みを入れるのも有効です。
切り込みを入れ過ぎてギアが壊れては本末転倒なのでご注意を。



Blogの記事として公開するかどうかを最後まで悩みましたが、備忘録代わりに公開することにしました。
自己流のやり方が満載なので、参考程度にしてくださいね。

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