今回はNekMtNkさん(ツイッター)が行った、乗用車のウインカーレバーを取り付けた改造方法の紹介を致します。
全体図と改造内容の紹介
G27をベースに、以下の改造が施されております。
・ハンコン本体に、乗用車用のウインカー、及びワイパーレバー増設
・ウインカーレバーの信号制御用に、別途リレー回路作成
・USB10キーに外部入力端子を増設 各種スイッチ信号の入力が可能に
・ハンコンシフトに、飛行機用ジョイスティックのヘッド部分を移設
・ハンドルを外品に変更、及びクイックリリース取り付け
・G27本体底部のコネクタ類を、本体後部に移設 接続を簡単に出来るように
・イグニッションキー増設
他にも細かい改造が多数施されておりますが、こちらの都合で割愛させて頂いております。
今回は、「ウインカーレバー取付関連」と「ジョイスティック移設」を中心に解説させて頂きます。
実車ウインカーレバーの取り付け
最初に、取り付け部の拡大写真を見てみましょう。別角度でもう1枚。
レバーはスズキアルト(HA24S)用の物を流用し、レバー付属のオートキャンセラー(黄色の出っ張り)を生かして、ハンドルの曲げでレバーがキャンセルされる機構を使えるようにしてるそうです。
キャンセルに使うハンドル側の出っ張りは、パドルシフトのベース部分を使っているそうです。
実際の動作を動画で撮影して下さってますので、それも貼り付けておきますね。
実車レバーですので、非常に動作がいいですね。 3回目の動作で例に例えると、右ウインカー点灯(レバーを下に下げる)状態にして、さらにハンドルを右に切り増してもウインカーがキャンセルされず、ハンドルを左に戻すタイミングでレバーキャンセルが効くようになってます。
実車だと、このキャンセル機構(で使う出っ張り)がもっと密になってるのですが、今回の場合は左右の2か所しかないので、実際にハンドルを回すと戻るタイミングが少々大味になっているようです。
また、キャンセル用の出っ張りは実車の形状とは違う為、G27用にキャンセル機構部の黄色のプラスチックを微妙に削り、レバー操作で引っかかりが無い状況にする為、レバーの取り付け位置を何度も微調整されたそうです。 やはり簡単にポン付け出来ないですよねw
しかし、本当にすごいのはここからでして・・・
ETS2/ATSのウインカーはトグル仕様には出来ませんので、ON/OFFをするたびにスイッチを押す必要があります。
今回のウインカーレバーで言うならば、ウインカー点灯→自動キャンセルでもウインカーは点いたままになってるんですよ。
なのでゲーム自体に実装されているオートキャンセルを普通なら使うのですが、NekMtNkさんは「ゲームのオートキャンセルは動作角度がデフォルトでは大きすぎるので、レバーのキャンセラーを使って小さなハンドル角でも確実にキャンセルさせたい」と考えるようになったそうです。
しかし、レバーはONになってからキャンセルされるまでずっと通電状態を保ちますので、普通ならもう1回通電させる為にレバーを操作しないとダメですよね?
その為、「arduino nano」(マイコン基板)を使って別途プログラムを組み、オートキャンセル実行時にもう1回通電するようにしたそうです。
NekNeMkさんの説明文をそのまま転載させて頂きますが
例:右折の場合配線図を頂いてますので、そちらも公開しておきます。
①ウインカーレバーを下げる(オルタネイト) ※回路のリレーがONし、右ウインカー点滅
②ハンドルを右に切る ※まだ右ウインカー点滅中
③ハンドルを戻す途中で、オートリターンが動作する ※ウインカーレバーが戻り、
回路のリレーがOFFになるがまだ右ウインカー点滅
④約0.1秒後に再度リレーがON、すぐOFFになる ※右ウインカー消灯
※この回路を使うと車線変更などでウインカー出して、ウインカーを手で戻しても
ちゃんと消えます

ちなみにウインカーはarduino nanoを経由してジョイスティックに接続されており、ジョイスティックとPCはUSB接続されております(LogicoolのExtreme 3D Pro) 引用文のリレーがarduino nanoを指しております。
(Extreme 3D Proのジョイスティック部を外し、arduino nanoを上に載せてます。)
NekMtNkさんもarduino nanoみたいなマイコン基板のプログラムは初めてだったそうで、本当に1から勉強されたそうです。
俺もこのウインカーにしたいけど、時間を取らないと実現は難しそうだな・・・ とは思ってますw
実車ワイパーレバーの取り付け
次に、実車のワイパーレバーの取り付けについて説明しますね。こちらもスズキアルト用のワイパーレバーをそのまま移植しておられます。
ウインカー側はジョイスティックに接続しておりますが、こちらはUSB10キーに接続しております。
(ウインカーレバーの写真に写っている10キーです。)
当然そのままでは接続できませんので、10キーから配線を取り出し、裏側にコネクタを増設されてます。
ちなみにワイパーレバーだけでなく、ウインカーレバーやこの後紹介するシフトノブなど、増設された機器類についてはすべてコネクタ接続を用いておられ、工具無しで簡単に取り外しが出来るようになっているそうです。
こちらも配線図を頂きましたので公開致します。

実車ワイパーレバーですから、間欠動作のポジションもある訳ですが、残念ながらゲーム側で対応出来ないのでその辺りは未実装との事。 リターダーや排気ブレーキも大型車だと多段式になってるんですが、この辺りの対応とかSCSがしてくれたら、実車用のウインカーやライトスイッチの移植も出来そうなんですけどね。
シフトノブにジョイスティックのトップを移植
ウインカーレバーの時に出てきたジョイスティックですが、実はグリップ部をシフトノブに流用されております。実車のグリップを移植される方は多いのですが、飛行機用ジョイスティックを移植するのは初めて見ました。
グリップの再度にシフトマップ変更用のスイッチを増設されております。
グリップ部トップのボタン類や、前側のトリガースイッチも使えるようになっており、すべて元々のジョイスティック本体に接続されております。
配線図とキー割り当ては以下の通りです。

自分もやっているトグルスイッチのウインカーレバー化と違い、実車レバーを取り付ける場合他のレバーの取り付け場所が確保できない状態になります。
なのでNekさんはハンドル本体に排気やリターダーレバーを付けず、シフトノブを多機能化する事により対策をされてます。
「シフトノブは実車でOK」って考えしかなかった自分にとって、この移植技はかなりの衝撃です。
かなり便利そうですよねー。 ETS2はあくまでゲームと割り切っているので、これは便利な改造方法かなとは思います。 このジョイスティックは日本に正式販売されておらず、Amazon等で並行輸入品が販売されております。 1つ5000円ぐらいだったかな? (Amazonの販売ページ)
配線の引き直しとかが多少面倒ですが、これは結構使える技じゃないでしょうか。
シフト・ペダル配線用コネクタの移設
ハンドル底面にはシフト部・ペダル部・ACアダプタ用コネクタが合計4つ付いてますよね。あれって毎回ハンドルを取り外しする人にとっては、すぐに配線が外れたりして結構イラ付く原因になったります。(経験者談w)
そうでなくても、シフトやペダルを取り外すの結構面倒な方法になっている訳ですが、Nekさんは今回の改造を施す際にコネクタ類も移設したそうです。
これだと後ろに差し込むだけなので、取り付け・取り外しが容易に出来ますね。
背面なので普段は目に入りませんから、カバー類を外してても気になりませんし。
実際に穴あけとかは面倒ですが、使い勝手を向上させる小技としては中々だと思いました。
最後に
自分以外のハンコン改造を御紹介するのも3回目となりましたが、今回は大技連発の改造方法のご紹介となりました。トラック用ではありませんが、乗用車のウインカー・ワイパーレバーを使った「リアリティの追求」と、飛行機用ジョイスティックを使った「利便性の強化」がいい感じで合わさっており、すごく面白そうな改造です。 改造の手間が格段に増えるので、簡単には出来無さそうですがw
一応の完成系とはなっているようですが、まだまだ細かい部分のアップグレードを予定されているようですので、今後も改造が増える予定とか。
今後もNekさんの改造は追いかけて行こうと思いますので、何か動きがあればご紹介出来ればと思います。
最後となりましたが、紹介の許可や配線図の作成等、NekMtNkさんには色々とご協力を頂きました。 この場をお借りしてお礼申し上げます。 ありがとうございました。
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