ETS2 MODの基礎知識 ゲームとMODの関係性

  どうも、け~えすです。
  最近MODに関する質問が増えて来まして、色々とお返事をさせて頂いております。

  当初は「MODの入れ方が解んない」って内容が多くなってきましたが、「このMODが動かない」とか「これとこれを使うと動作がおかしくなる」といった質問も徐々に出始めました。
  この辺りになりますと、「MODがどうやって動いているのか」とか、「ゲームとMODの関係はどうなっているのか」って所を理解できていると、MODの導入順等で回避し易い質問だったりします。

  今回から不定期に、数回に分けて「MODの基礎知識 」を書いて行きたいと思います。 
  お時間があれば暇つぶしにでも読んで頂けたら幸いです。


はじめに

  今回のシリーズは、ゲームとMODの関係性や、ETS2でMODがどのような動きで動作しているのかを概念の部分を中心に解説して行きます。
  構成上ファイル操作が必要になりますが、その操作方法については解説いたしません。 OS等の環境によって色々と変わってくるからです。 Google等で自分で検索してみて下さい。

  また、ETS2のバージョンによっても、今回説明する内容が変化している可能性があります。
  あくまで一例として解説していきますので、ご自身の環境に併せて読み変えて頂く必要があるかもしれません。

  基礎知識シリーズの読者対象としては
・MODがどうやって動いているのか解らない
・複数のMODを入れると、なぜ動作が変わるのかが解らない
・MODの中身を自分で変えたいけど、何を書いているのかが解らない
と言った人向けになるかと思います。

ゲーム本体の動作について

  MODの話なのに、なぜゲーム本体の事を解説するんや! って思う人も多いと思います。
  でも、ゲームとMODの関連性を説明する際に、ゲーム自体の動きを解説しないと先に進まないのです。 なのでちょっとだけお付き合いください。

  最初に、け~えすのPCでの、ゲーム本体のフォルダ構成をスクショでお見せします。



  ゲームの基本的なファイルは上記ですべてです。 それ以外にもマイドキュメントフォルダに、個人設定やセーブデータ(プロファイルデータ)、MODが置かれています。

  ゲーム自体は32ビットか64ビットのeurotrucks2.exeを使って起動します。
  では、それ以外のファイルは何に使われているかと言いますと、非常に大まかに言いますと「ゲーム内のデータ」として参照されるデータです。

  特にここにある拡張子scsのファイルはデータファイルとなっており、例えばファイル名の頭がdlc_になっている物は、その人が購入したDLCのデータが中に入っております。
  その他にも、def.scsは基礎設定ファイルを中心に作られてますし、base.scsは各種3Dデータを中心に作られていると考えられてます。

  また、ここにある拡張子scsのファイルはちょっと特殊なzipファイルになっており、通常のツールでは解凍・展開が出来ません。
  解凍する場合はSCSが配布しているGame archive extractorを使う必要があります。
  興味のある方はこちらのページからDLが可能ですので、良かったらどうぞ。

  一例として、base.scsを展開した際のフォルダ構成を以下に置きます。(1.26の奴ですけど)

  base.scsはモデルデータ(トラックやトレーラー、AIカーや建物、道路等)を主に格納しております。
  一部フォルダを展開しておりますが、ここには私たちが使っているバニラトラックのモデルデータが置いてあります。
  さらに、トラックデータの中でMANの物を一例としてスクショを取りました。

  色々とファイルがありますが、トラックのキャビンやシャシー、ワイパー等のモデルデータがあるのが解ると思います。
  ここにあるのはモデルデータだけですので、これだけではゲーム内に表示させる事はできません。 これは設定ファイルであるdef.scsの方で定義されております。

  今度はdef.scsを展開してみます。 表示の都合上、フォルダのみの表示になります。

  さらにvehicleフォルダの中にある、MANのフォルダ構成を出しますね。

  一例としてキャビンとシャシの設定ファイルも表示しておりますが、こんな感じで各キャビン・シャシに設定ファイル(拡張子sii)が置かれてます。
  ディーラーなどでパーツを選択した際に、このsiiファイルが読み込まれる訳です。

  今度はキャビンのXLXキャブの設定ファイルを表示します。
  siiファイルのフォーマットはテキストですので、メモ帳等で開く事が可能です。

  良く見ると、先程のbase.scsで見たファイルが書かれてますよね?
  ETS2自体はこの設定データを見て、そこに書かれているモデルデータを表示させている訳です。

  今回はトラックモデルを一例として挙げておりますが、今回の説明の場合は「モデルデータ(3Dデータ)」と「設定ファイル」があって、ゲーム本体が設定ファイルを読みに行って、そこで指示されたモデルデータを読み込む事によりトラックパーツ等をゲーム上に表示させているって事です。

  例えばサウンドなんかも、各車両やエンジン毎に細かく設定がされており、例えばスカニアの場合はL6エンジンとV8エンジンでは再生されるエンジン音が違ってたりします。

  ここまでがゲーム本体側の動きでした、次にMODの動きについて説明していきます。

MODの動作について

  ゲーム本体の動作について色々と書いて来ましたが、ではMODはどのように動作していくのかを説明していきます。

  かなり省略しましたが、ゲーム内でのモデルデータや設定ファイルの動きを説明しましたが、MODも基本的には同じ動きをします。

  例えばRJL氏のスカニアMODを例にして説明すると、RJLスカニアを正常にインストールした場合、ゲーム内のスカニアディーラーにRJLスカニアが追加されます。
  パーツの選択等をした上で購入すると、ゲーム内で運転出来るようになりますよね?

  では、スカニアMODはゲーム本体にどのようにして反映させているかと言うと
1.スカニアディーラーにRJLスカニア専用の枠を取れるように設定ファイルを書き換える
2.RJLスカニア専用のモデルデータ・音声ファイル・設定ファイルなどを追加させる
概ねこんな感じの動作をしております。(本当はもっと色々とやってますが、ザックリと書きました)


  実は、この動きはDLCも同じでして、バニラデータに色々と上書き・追記を行っているだけです。
なので、DLC=SCS公式有料MODって考え方でOKなんですw  まぁ、MODと違って購入フラグとか色々とあるんで、一概に同じとも言えないのですが・・・

  ここで一度まとめてみますが、MODの動きとしては
・バニラデータに追加のデータ(ファイル)を書き込む
・バニラのデータ(ファイル)を上書きする
事で、MODとして動作させるのが基本的なパターンだと考えて下さい。


  もう一つ例をあげてみますが、MADSter氏のMAN TGX(以下 無印)ってMODがあります。(リンク
  同氏制作のMAN TGX Euro6(以下 Euro6)と混同し易いのですが、Euro6はRJLスカニアと一緒でスタンドアロン(単独)MODです。 なのでMANディーラーに専用の購入枠が出ます。
  無印の方はリプレース(置き換え)MODになりまして、バニラのMAN TGXのフロントグリル等を上書きするMODです。 つまり、どのMANを買ってもMADster氏の無印になるのです。

  RJLスカニアやEuro6は、例えばモデルデータなどは専用フォルダを作ってそこに格納してますが、無印は上書き型なので当然バニラMANのフォルダに展開されます。 当然バニラデータは消えて無印のデータに置き換えられます。

  同じ様な車両MODであっても、内容によって仕組みが違ってきます。


  何度も言及しておりますが、MODはバニラファイルに書き換えや追加をする訳ですが、この動作があるが為に複数のMODを導入した際にトラブルになる事があるのです。
  その辺につきましては、次回で説明させて頂きたいと思います。


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